【独自調査】静岡県の労働者と残業時間に関する実態調査
静岡県に本社を置く採用支援の株式会社チームフォワードは、静岡県内の企業に勤務する労働者の残業時間、残業代の支払い状況、そして「残業がモチベーションや職場選びに与える影響」について調査を実施しました。
【調査結果の概要】
・月の残業時間、6割弱が10時間未満
・7割以上が「残業がモチベーションに影響する」と回答
・業種によって大きな差が見られた
・残業の少なさが企業の魅力につながる(7割以上)
かつて日本の企業社会では、長時間労働が「企業への忠誠心」「やる気の証」と見なされていました。しかし、働き方改革の浸透、世代交代、SNS・転職口コミサイトの普及により、働き方に対する労働者の価値観は大きく変わりました。
特に地方の中小企業が多く集まる静岡県では、この変化がどのように進んでいるのか。
そして、残業時間という要素が、社員の育成・定着、そして採用市場にどのような影響を与えているのか——。
これらの実態を明らかにすることを目的に、本調査を実施しました。
■設問ごとの調査詳細
Q1. あなたがお勤めの業種を教えてください。(単一回答)
本調査は、静岡県内の企業に勤務する労働者を対象に実施しました。メーカー、IT/通信、サービス/小売、商社など、多様な業種からの回答を得ています。

月の残業時間は、6割弱が10時間未満と少なく、業界平均(13.2時間)より短い傾向に。
Q2. 現在の職場での月の残業時間を教えてください。(単一回答)

月の残業がほぼなし(5時間未満)と答えた人が40.91%。これに5~10時間未満(17.79%)を加えると、6割弱の労働者が月10時間未満、すなわち1日平均30分未満程度の残業に収まっています。
厚生労働省の毎月勤労統計調査による全国平均(月13.2時間)と比べると、概ね全国的な数値に近い状況と考えられます。
ただし、業界による差は顕著に表れています。
【Q1×Q2のクロス集計】業種別に見た「現在の職場での残業時間」

特徴的な点としては、コンサルティングや企画要素の強い業界では、他業種よりも残業時間が多い傾向が見られました。これは、これらの業界が「仕事=時間」ではなく「仕事=成果」という考え方を持つ人材が多く、はたらくことに対する概念の違いが一因と考えられます。
残業代の支払い状況:サービス残業は2割強という結果に。
Q3. 残業時間のうち、サービス残業(賃金が支払われない残業)の割合はどのくらいですか?(単一回答)

残業代がほぼ100%支払われていると答えた人は66.6%。一方で、約33%の労働者が何らかのサービス残業を経験しており、うち10.67%は「ほぼすべて給与が支払われていない」と答えています。
残業時間の多さ、7割以上がモチベーション低下の要因に。「時間より職場環境」が1/4を占めるとの回答も。
Q4. 残業時間の多さは、仕事へのモチベーションに影響しますか?(単一回答)

「大きく影響する」(33.93%)と「やや影響する」(34.78%)の合計は68.71%。つまり、7割近い労働者が、残業時間はモチベーションに関わる要因だと認識しています。同時に、採用市場において「残業時間」が求職者の企業選択の判断基準として機能していることが示唆されます。
さらに興味深いのは、業種による大きな差です。
【Q4×Q1クロス集計】業種別に見た「残業がモチベーションに影響する」の割合

IT/通信や医療/介護では、85%近い労働者が「残業の多さはモチベーションに影響する」と答える一方、専門サービス(コンサルティング・広告・金融など)では約52%が「影響しない」と答えています。
業種や仕事の性質によって、同じ残業時間でも労働者の受け止め方が大きく異なると言えそうです。
「何時間以上でモチベーションが下がるか」だけでなく「職場の雰囲気や業務内容」が重要。組織文化の影響の大きさが明らかに。
Q5. Q4で「影響する」と答えた人へ。何時間以上の残業続くと、モチベーションが下がりますか?(複数回答)

「10時間以上」(31.1%)「20時間以上」(21.18%)「30時間以上」(12.33%)と、時間数で区切る人がいる一方、「時間の長さよりも、業務内容や職場の雰囲気による」と答えた人が26.81%にのぼりました。モチベーションへの影響は、単純な残業時間数だけで決定するものではなく、「居心地の良い職場」や「意義を感じられる仕事」など、周囲の環境や配置、仕事の意味付けなどの人事戦略全体と連動したものと言えそうです。
7割以上が、残業の少なさが仕事へのやる気につながっていると回答。
Q6. 残業が少ないことは、仕事へのやる気につながっていますか?(単一回答)

続いて、残業時間が10時間未満の回答者を対象に、残業の少なさと仕事へのやる気の相関を確認しました。
「大きくつながっている」(35.69%)と「ややつながっている」(35.35%)の合計は71.04%。前項までで残業時間が多いこととモチベーションへのネガティブな影響を確認しましたが、ここでは残業時間の少なさがモチベーションにポジティブな影響を与えることも分かりました。
【Q6×Q2クロス集計】月の残業時間別に見た「魅力につながっている」の割合

興味深いのは、ほぼなしと月5~10時間未満で、「やる気につながっている」の割合がほぼ同じ(約71%)ということです。残業時間については、「少なければ少ないほど良い」というよりは、「一定水準以下であれば良い」という考え方が多く、ライフスタイルが多様化する中で、”一定水準”の時間数が年々減りつつあるものと考えます。
採用活動を行う上で、残業時間が少ないことをアピールするのであれば、
月10時間以下がひとつの目安になりそうです。
■調査結果のまとめ
本調査から、静岡県の職場における残業実態と、採用・育成・定着に与える影響について、2つのことが見えてきました。
① 残業時間は採用・定着の重要な要素だが、その効果を最大限に発揮するには『制度と風土』の両方が必要
今回の調査では、7割以上の労働者が「残業時間はモチベーションに影響する」、「残業が少ないことが会社への魅力につながっている」と答えました。SNSや転職口コミサイトの普及で企業の働き方情報は可視化され、残業時間は採用・定着を左右する重要な競争要素になっています。
また、約1/4の労働者が「何時間でモチベーションが下がるかは、時間の長さより業務内容や職場の雰囲気で決まる」と答えた点は、注目すべきポイントです。同じ残業時間でも、やりがいを感じるか、信頼関係があるか、会社の方向性に共感できるか——。こうした職場環境によって、人のモチベーションは大きく変わります。
残業時間数を単体で考えるのではなく、「働きやすい雰囲気」「やりがいを感じられる」などの風土が揃ってはじめて、採用・定着の効果が生まれるため、制度と風土は、必ずセットで考える必要があります。
弊社の支援先においても、残業時間数を減らす取り組みを行う企業は一定数ありますが、この点は必ずお伝えし、慎重に進めています。組織風土の適切な把握、改善や残業時間を減らしていく目的、メッセージの伝達とセットで行わないと、残業時間の減少がそのまま生産性の低下に繋がり兼ねません。
② 調査結果と大きく乖離している企業は要注意。採用・定着の両面でリスクになる可能性も。
今回の調査結果と大きく異なる水準の残業時間を抱える企業は、注意が必要です。特に危険なのが、サービス残業ありきで事業が成り立つという状況です。残業代を適切に支払うことで利益が出なくなる状況では、人材戦略以前に事業構造から見直しが必要かもしれません。もちろん、サービス残業が常態化している組織では、組織に対するエンゲージメント低下や、離職リスクが高まることは言うまでもありません。
採用活動の有無を問わず、健康診断のつもりで、自社と調査結果の水準を比較してみてはいかがでしょうか。 制度と風土の両面から、働きやすい会社をつくることが、離職を防ぎ、人材が活躍していくための最短距離なのではないでしょうか。
チームフォワードは、採用支援だけでなく、人事戦略レベルから最適解を見つけ出すお手伝いをしています。残業時間の削減、職場環境の改善、人材の定着率向上についてご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
■調査概要
調査対象:個人
本調査:静岡県在住の20~59歳
調査期間
本調査:2026年05月26日
調査方法:WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社チームフォワード / アンケートモニター提供先:外部調査会社)
有効回答数
本調査:506名
本資料に掲載のデータ、図版などの無断転載を禁じます。
【会社概要】
会社名 :株式会社チームフォワード
所在地 :静岡県静岡市駿河区下川原南21-30 2F
設 立 :2022年5月25日
代表者 :代表取締役 竹田敬介
事業内容:採用支援事業、人事戦略コンサルティング事業
◆本件に関する報道関係からのお問い合わせ先◆
広報担当:下方 綾音
mail:shitakata.ayane@teamforward.jp

