【独自調査】静岡県の労働者と転職意欲に関する実態調査

静岡の転職希望者、75%以上が「働いてみたい会社」を思い浮かべられず

静岡県に本社を置く採用支援の株式会社チームフォワードは、静岡県内で働く正社員380名を対象に、「静岡県の労働者と転職意欲に関する実態調査」に関するアンケート調査を実施しました。

調査結果の概要
・正社員の4人に1人(24.5%)が、すでに転職活動中または転職を検討中
・転職のきっかけ1位は「給与・待遇」(46.1%)、2位は「人間関係」(31.1%)
・転職を検討している人でも75.3%が「働きたい会社」を具体的に思い浮かべられず
・「いい会社」と感じるきっかけの1位は企業HP(56.3%)、2位はリファラル(40.6%)

転職への関心が高まる昨今ですが、実際の行動状況については、正社員の4人に1人(24.5%)が「すでに転職活動をしている」「転職したいと考えている」と回答。正社員として働きながら、並行して転職を検討することが一般的であることが分かった一方で、「機会があれば働いてみたい」と思える企業を具体的に挙げられた人はわずか8.4%にとどまり、転職意欲の高さと「転職先検討の具体性」には大きなギャップが生じています。

静岡県において、労働者の転職意識と企業選びの実態がどのように結びついているのか——現場の本音を明らかにすることを目的に、本調査を実施しました。


■設問ごとの調査詳細

Q1. あなたがお勤めの業種を教えてください。(単一回答)
本調査は、静岡県内の企業に勤務する労働者を対象に実施しました。メーカー、IT/通信、サービス/小売、商社など、多様な業種からの回答を得ています。


正社員の4人に1人が「すでに転職活動中」または「転職を考えている」という結果に。

Q2.  あなたは今、転職について考えていますか。最も近いものをお選びください。

「すでに転職活動をしている」(8.4%)、「転職したいと考えているが、まだ活動はしていない」(16.1%)を合わせると24.5%となり、正社員の4人に1人が転職を検討している状況であることが分かりました。

さらに「きっかけがあれば転職を考えると思う」(32.4%)を含めると、半数以上が転職に対して前向きな意識を持っているといえます。


きっかけの1位は「給与・待遇」

Q3. 転職を考えるようになった(考えるとすれば、その)きっかけは何ですか。下記の選択肢の中からあてはまるものをすべてお選びください。

転職を考え始める最初のきっかけとして最も多かったのは「給与・待遇に不満がある」(46.1%)で、次いで「上司や職場の人間関係に不満がある」(31.1%)、「会社や業界の将来に不安を感じる」(25.5%)と続きました。

どれほど仕事内容に魅力があっても、給与が見合わなければ具体的な転職検討には至らず、離職を考え始めるきっかけの多くも給与・賃金に起因している可能性が示唆されます。

2026年、中小企業の賃上げ率は平均4.6%程度と言われており、自社の給与水準がここ数年変わっていない場合は、相対的低下状態になっている可能性があります。給与面がクリアできると、次に関心が強いのは人間関係であり、待遇と人間関係が転職を後押しする二大要因と言えそうです。 


「1〜3カ月」が最多。日常的なコミュニケーションで防げる離職も。

Q4. 転職を考えるようになってから、実際に転職活動を始めるまで、どのくらいの期間がありましたか(または、経過していますか)。

「1〜3カ月程度」が50.0%と最多となりました。裏を返せば、この1〜3カ月の間に何らかのフォローができていれば、転職を思いとどまった人も一定数いたと考えられます。

組織への不満は、多くの場合、最初は些細な「ボタンの掛け違い」から始まり、その段階で解消できるかどうかが分かれ目になります。1on1のような定期的な対話の場に加え、社長や上司が現場に足を運び日常的に声をかける「MBWA(Management By Walking Around)」のような手法も、離職の予兆に早く気づく手段として有効かもしれません。 


「働いてみたい会社」を具体的に挙げられる人はわずか8.4%。9割超が思い浮かべられずという結果に。

Q5. 現在の勤務先以外で、「いい会社だな」「機会があれば働いてみたい」と感じている企業はありますか。

「具体的に思い浮かぶ企業がある」と答えたのはわずか8.4%。「業種や規模などのイメージはあるが、特定の企業ではない」が29.2%、「特にない」が62.4%で、合わせて9割以上が具体的な転職先を思い描けていないことが分かりました。

転職を考える人が一定数いる一方で、その多くが「どこに行きたいか」を明確にイメージできていない——。
県内企業にとっては、採用市場における認知・魅力形成の余地が大きいことを示す結果と言えます。 

Q2×Q5クロス集計】「具体的に思い浮かぶ企業がある」人の割合 

すでに転職活動をしている:40.6%(32名中13名)
転職したいと考えているが、まだ活動はしていない:16.4%(61名中10名)
きっかけがあれば転職を考えると思う:3.3%(123名中4名)
転職は全く考えていない:3.0%(164名中5名) 

「すでに転職活動をしている」層においても、「具体的に思い浮かぶ企業がある」は40.6%にとどまり、行動を起こしている人の約6割が、まだ具体的な行き先を描けていません。

さらに、「すでに転職活動をしている」「転職したいと考えているが、まだ活動はしていない」を合わせた”転職検討層”(93名)で見ると、「具体的に思い浮かぶ企業がある」はわずか24.7%。残る75.3%は、業種・規模のイメージはあっても特定の企業までは思い浮かばない、またはまったく思い浮かばない状態でした。

転職を検討している人の4人に3人が、「転職したい会社」を明確にイメージ出来ないまま転職を意識している。このミスマッチこそが、静岡県内の採用市場が抱える採用課題のひとつと言えそうです。
企業の立場から見れば、いかに「具体的に思い浮かぶ」状態になるかが、再現性ある採用を実現する為の鍵と言えるでしょう。


「いい会社」と感じたきっかけは企業HPが1位。知人からの口コミ(リファラル)も僅差の2位に。 

Q6. その企業を知ったきっかけ、または良い印象を持ったきっかけは何ですか。下記の選択肢の中からあてはまるものをすべてお選びください。

「企業のホームページを見た」が56.3%で最多となり、「知人・友人・家族から聞いた」(40.6%)、「求人情報を見た」(28.1%)と続きました。

情報源としては、AIやSNSなどに代替されつつある印象のある企業ホームページですが、今回の調査では、いまだに企業を知り、良い印象を持つための主要な接点になっていることが分かりました。2位のリファラルは、自社の社員が自分の会社を好きでいなければ生まれない指標であり、社員エンゲージメントの高さを映す間接的な指標とも言えます。 


転職検討時に知りたい情報、1位は「給与・賞与の具体的な水準」。組織のリアルを知りたいという声多数。

Q7. 転職先を検討するうえで、どのような情報があれば、より真剣に検討できると思いますか。下記の選択肢の中からあてはまるものをすべてお選びください。

最も多かったのは「給与・賞与の具体的な水準やモデル年収」(55.8%)で、「実際の残業時間や休日取得の実態」(38.4%)、「一緒に働く上司や同僚の人柄」(35.5%)、「仕事の具体的な進め方や1日の流れ」(33.7%)が続きました。

求人票だけでは伝わりにくい、待遇の具体性や職場のリアルな雰囲気を知りたいというニーズが強いことが浮き彫りになっています。給与などの待遇情報が前提として不可欠である一方、その先では「この会社で働くイメージが具体的に持てるか」が重視されており、定型フォーマットの求人票だけでは伝えきれない情報を、オウンドメディアなど別の手段で補う必要性がうかがえます。 


■調査結果のまとめ

本調査から、静岡県内で働く正社員の転職意識と、企業選びの実態について、3つのことが見えてきました。

➀ 転職を考える人は多いが、「具体的な転職先」が見えていない
正社員の4人に1人がすでに転職を検討している一方、9割以上が「行きたい会社」を具体的に思い浮かべられていません。県内企業からは採用難・人材難が叫ばれていますが、労働者側から見ると、企業の情報発信不足によって「行きたい企業が分からない」という課題が同時に存在していることが分かりました。

➁ 情報発信の差は、採用力の差になっていく
「いい会社」と感じたきっかけの上位は企業HPとリファラルであり、いずれも一朝一夕には積み上がりません。人口減少・人口流出が続く静岡県内において、企業と労働者のマッチングを生み出すカギは情報発信にあるのではないかと考えています。

➂ 採用ブランディングとは、「きれいに見せること」ではなく「オープンな情報開示」
求職者が知りたいのは、給与のモデルケースや職場の人柄・雰囲気といった、外からは見えにくい「等身大の実態」です。企業が採用ブランディングに力を入れ、発信力を高めていくことは、生産性向上や地域への人材定着、ひいては人材の県外流出抑制につながる一つの方策になるのではないかと、当社は考えます。


調査概要 
調査対象:個人
本調査:静岡県在住の20~59歳

調査期間
本調査:2026年08月17日 ~ 2026年08月18日

調査方法:WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社チームフォワード / アンケートモニター提供先:外部調査会社)

有効回答数
本調査:380名

本資料に掲載のデータ、図版などの無断転載を禁じます。

【会社概要】

会社名 :株式会社チームフォワード
所在地 :静岡県静岡市駿河区下川原南21-30 2F
設 立 :2022年5月25日
代表者 :代表取締役 竹田敬介
事業内容:採用支援事業、人事戦略コンサルティング事業

◆本件に関する報道関係からのお問い合わせ先◆
広報担当:下方 綾音
mail:shitakata.ayane@teamforward.jp