【独自調査】静岡県の労働者と管理職登用に関する意識調査

静岡県内の正社員、非管理職の9割弱が「管理職になりたくない」 一方、管理職の約75%は「なってよかった」。
役割・評価基準が示されていない職場では「なりたい」わずか0.9%という結果に。

静岡県に本社を置く採用支援の株式会社チームフォワードは、静岡県内で働く正社員408名を対象に、「静岡県の労働者と管理職登用に関する意識調査」を実施しました。

【調査結果の概要】
・非管理職の86.7%が、将来「管理職になりたくない」と回答
・一方、管理職の74.5%が「なってよかった」と回答し、65.5%が部下・後輩に管理職を「勧めたい」
・なりたくない理由の1位は「責任やストレスが重そう」(67.3%)
・管理職に求める役割・期待・評価基準が「明確に示されている」企業は、わずか8.3%
・基準が「全く示されていない」企業では、「管理職になりたい」と答えた人はわずか0.9%

非管理職の86.7%が「管理職になりたくない」と回答した一方で、実際に管理職を経験している人の74.5%は「なってよかった」と答えました。管理職を「外から見ている人」と「中で経験している人」とで、そのイメージに大きなギャップがあることが分かりました。

さらに、管理職に求める役割・期待・評価基準が示されているかどうかで、管理職への意欲には大きな差が見られました。基準が「全く示されていない」企業では、管理職を目指したいと答えた人はほぼいない状態です。

人事の世界では、数年前に「管理職は罰ゲーム」という言葉が話題になりました。コロナ禍以降、リモートワークの普及や副業の解禁、働き方の多様化、ハラスメントへの意識の高まりなどにより、管理職の仕事は一昔前より難易度が高く、窮屈さを増しているようにも感じられます。

静岡県で働く人たちは、管理職になることをどう捉えているのか——現場の本音を明らかにすることを目的に、本調査を実施しました。


■設問ごとの調査詳細

Q1.お勤め先の従業員規模を教えてください。(単一回答)

本調査は、静岡県内で働く正社員を対象に実施しました。従業員1〜9人の小規模企業から1,000人以上の大企業まで、幅広い規模の企業からの回答を得ています。


Q2.  あなたは現在、管理職ですか。※ここでの管理職とは、課長相当以上で、部下の評価を行う立場を指します。(単一回答)

回答者408名のうち、管理職は13.5%(55名)、非管理職は86.5%(353名)でした。


非管理職の86.7%が「管理職になりたくない」と回答。

Q3. あなたは将来、管理職になりたいと思いますか。【Q2で「管理職ではない」を選んだ方】(単一回答)

「なりたくない」(52.1%)、「あまりなりたくない」(34.6%)を合わせると86.7%となり、非管理職の約9割が管理職になることに後ろ向きであることが分かりました。明確に「なりたい」と答えた人はわずか2.5%にとどまっています。 


なりたい理由の1位は「給与や待遇を上げたい」。「身近に目標となる管理職がいる」はわずか4.3%。

Q4.管理職になりたい理由として、あてはまるものをすべてお選びください。【Q3で「なりたい」「ややなりたい」を選んだ方】(複数回答)

最も多かったのは「給与や待遇を上げたいから」(63.8%)で、「組織やチームをより良くしたいから」(40.4%)、「裁量を持って仕事を進めたいから」(31.9%)と続きました。管理職経験によって得られるやりがいやキャリアよりも、待遇面がモチベーションの源泉になっている傾向がうかがえます。

一方で、「身近に目標となる管理職がいるから」はわずか4.3%。管理職を目指すきっかけとなる、身近なロールモデルが少ない状況も見えてきました。


なりたくない理由の1位は「責任やストレスが重そう」。「給与が見合わない」も4割弱に。

Q5. 管理職になりたくない理由として、あてはまるものをすべてお選びください。【Q3で「あまりなりたくない」「なりたくない」を選んだ方】(複数回答)

「責任やストレスが重そうだから」が67.3%で最多となり、「給与が責任や負担に見合わないから」「自分は管理職に向いていないと思うから」(いずれも38.2%)が続きました。

さらに、「身近な管理職を見て、魅力を感じないから」(28.4%)、「管理職に求められる役割や期待が分からないから」(23.2%)という回答も一定数見られました。

管理職を経験したことがない人が「自分には向いていない」と感じるのは自然なことです。管理職自身が、非管理職だった頃の自分や、管理職になって何が変わったかなどのナラティブ(物語)を語ることで、「自分にもできるかもしれない」と思える人を増やしていくことも大切なのではないでしょうか。


引き受ける条件の1位は「給与が上がる」。一方、40.2%は「どのような条件でもなりたくない」。

Q6. どのような条件があれば、管理職を引き受けてもいいと思いますか。【Q3で「あまりなりたくない」「なりたくない」を選んだ方】(複数回答)

「給与が上がる」が42.5%で最多となった一方で、「どのような条件でもなりたくない」も40.2%にのぼり、管理職に強い抵抗感を持つ層が一定数いることが分かりました。

なお、「役割や評価基準が明確に示される」を条件に挙げた人は15.0%にとどまりました。ただし、後述のクロス集計では、この「基準の有無」こそが管理職への意欲と大きく関係していることが見えてきます。


管理職の74.5%が「なってよかった」。65.5%が部下・後輩に「勧めたい」と回答。

Q7. 管理職になってよかったと思いますか。【Q2で「管理職である」を選んだ方】(単一回答)

Q8. 部下や後輩に、管理職になることを勧めたいと思いますか。【Q2で「管理職である」を選んだ方】(単一回答)

「とてもそう思う」(25.5%)、「ややそう思う」(49.1%)を合わせると、74.5%が管理職に「なってよかった」と回答しました。また、部下や後輩に管理職を「勧めたい」「やや勧めたい」と答えた人も65.5%にのぼります。

非管理職の約9割が「なりたくない」と答える一方で、実際に経験している管理職の多くは前向きに捉えている——。外から見た管理職のイメージと、実際の姿には大きなギャップがあることが分かりました。


役割・期待・評価基準が「明確に示されている」企業は、わずか8.3%。

Q9. お勤め先では、管理職に求める役割・期待・評価基準が示されていますか。(単一回答)

「明確に示されている」と答えた人はわずか8.3%。「あまり示されていない」(29.2%)、「全く示されていない」(29.4%)を合わせると58.6%となり、半数以上の企業で管理職に何を求めるかが明確になっていない実態が見えてきました。

【Q3×Q9クロス集計】 管理職に「なりたくない」と回答した人の割合

明確に示されている:33.3%(21名中7名)
ある程度示されている:37.1%(105名中39名)
あまり示されていない:47.3%(110名中52名)
全く示されていない:73.5%(117名中86名)

役割・期待・評価基準が「明確に示されている」企業では、「なりたくない」と答えた人は33.3%でした。一方、「全く示されていない」企業では73.5%と、2倍以上の差が見られました。

さらに、「全く示されていない」企業で「管理職になりたい」と答えた人は、わずか0.9%。基準が示されていない職場では、管理職を目指したいと考える人がほとんど生まれていないことが分かりました。

Q6では「給与が上がれば」と答える人が最も多かった一方で、実際の意欲の差を生んでいるのは、管理職に何を求めるかが示されているかどうかである可能性がうかがえます。


■調査結果のまとめ

本調査から、静岡県内で働く正社員の管理職に対する意識について、3つのことが見えてきました。

① 「なりたくない9割」と「なってよかった7割」——外から見た管理職と、実際の管理職には大きなギャップがある

非管理職の86.7%が「管理職になりたくない」と答えた一方で、管理職の74.5%は「なってよかった」と回答しました。人材不足のなか、多くの管理職がプレイングマネージャーとして働く今、非管理職から見える管理職の姿は「忙しそう」「大変そう」になっている可能性があります。日頃の上司と部下のコミュニケーションのなかで、個人のキャリア観について触れたり、管理職のやりがいや面白さを語ったりすることが、意識を変えるきっかけになりそうです。

② 管理職を目指す人が少ないことは、組織力の低下につながるおそれ

管理職の経験は、マネジメント力はもちろん、対人能力や胆力など、ビジネスパーソンとしての能力を身につけられる貴重な機会です。管理職が生き生きと働き、その姿を見た部下が「自分もやってみようかな」と思う。そうした流れが続く職場では、社員同士が刺激し合い、高め合う好循環が生まれます。

反対に、上を目指そうという人が少ない職場では、こうした前向きな空気が生まれにくく、組織全体に停滞感が広がりかねません。次の管理職候補が不足するだけでなく、職場の活気や生産性の低下にもつながり、結果として組織力を弱めてしまうおそれがあるのではないかと感じています。

③ 給与の見直しの前に、「管理職に何を求めるか」を示すことが第一歩

なりたくない理由として「給与が責任や負担に見合わない」を挙げた人は4割弱にのぼりました。役割・期待・評価基準が「明確に示されている」企業はわずか8.3%で、基準が示されていない企業ほど、管理職になりたいと考える人が少ないことが分かりました。

期待される役割が示されていない管理職は、人手不足の職場では「何でも屋」になりがちです。その姿を見た部下が「ああはなりたくない」と感じるのは自然なことかもしれません。基準が明確であれば、管理職自身も目指す姿を体現しやすく、「なってよかった」と感じやすくなります。そうした上司は、部下にとって身近なロールモデルにもなります。人事制度、特に等級制度が整っていない企業は、これを機に見直してみてはいかがでしょうか。


■代表コメント

今回の調査で、管理職になって「よかった」と感じている人が多いにもかかわらず、非管理職の約9割が「なりたくない」と答えていることは、実は静岡県全体にとって大きな損失なのではないかと感じました。

もちろん、管理職を目指すことだけがキャリアのすべてではありません。それでも、マネジメントする立場に立つことは、ビジネススキルだけでなく、人間的な魅力を蓄えていく貴重な機会なのではないかと個人的には考えます。

管理職に求める役割や評価基準をきちんと示し、管理職になりたいと思う非管理職が増えていくような制度作りや、管理職のやりがいや魅力がオープンになっていく風土づくりが、静岡県内の多くの企業でなされていくことを願います。


株式会社チームフォワード 
代表取締役 竹田敬介


■調査概要 
調査対象:個人
本調査:静岡県在住の20~59歳

調査期間
本調査:2026年10月09日 ~ 2026年10月10日

調査方法:WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社チームフォワード / アンケートモニター提供先:外部調査会社)

有効回答数
本調査:408名

本資料に掲載のデータ、図版などの無断転載を禁じます。

【会社概要】

会社名 :株式会社チームフォワード
所在地 :静岡県静岡市駿河区下川原南21-30 2F
設 立 :2022年5月25日
代表者 :代表取締役 竹田敬介
事業内容:採用支援事業、人事戦略コンサルティング事業

◆本件に関する報道関係からのお問い合わせ先◆
広報担当:下方 綾音
mail:shitakata.ayane@teamforward.jp