採用してはいけない人材の見極め方|中小企業のための現場目線チェックリスト

こんにちは、TEAM FORWARDの竹田です。
本日は、「採用してはいけない人材をどう見極めるか」というテーマについてお話しします。
採用ができないことは、企業にとって大きな問題です。
ですが、今回取り上げたいのは、「採ってしまった後に発生する問題」です。
「採用できないよりはマシ」と採用した結果、既存のメンバーが不満を抱え、最悪の場合は本人の離職や周囲のモチベーション低下につながる。
人件費は増えているのに状況は何も変わっていない。
採用前にはなかった新しい問題が発生する…。
こういったケースを、採用支援の現場で何度も見てきました。
だからこそ、採用すべきでない人を見極めることは、採用できることと同じくらい重要だと考えています。
【目次】
1.なぜ「採ってはいけない人」を採ってしまうのか
2.「採用してはいけない」は「完璧な人だけ採れ」ではない
3.面接中の言動で見るポイント
4.能力の把握で見るポイント
5.転職歴・経歴で見るポイント
6. 選考中の行動で見るポイント
7. まとめ:リスクを把握して「自社にとって採れる人」を見極める
それでは早速、本題に入っていきましょう!
1. なぜ「採ってはいけない人」を採ってしまうのか
一番の原因は、焦りです。
「早く採らなければ」というプレッシャーの中で面接に臨むと、どうしても判断が甘くなりがちで、
その「焦り」が面接の質を下げ、見落としを生んでしまいます。
面接はそもそも、応募者が「自分をよく見せようとする場」です。
あからさまに態度が悪い人はほとんどいませんし、みんな好かれようとして話しています。
面接官としては、
良い人に見えてしまいがちなのですが、それだけで採用してしまうと、
「思っていたのと違う」が起きやすくなります。
「面接だけじゃわからない」
「一緒に働いてみないとわからない」
これはある意味正しい言葉ですが、その言葉を免罪符にして、選考の中での見極めを諦めていないでしょうか?
面接時間はたかだか1時間程度かもしれませんが、その1時間への集中力が、この先の業績や会社の方向性を変える可能性があるのです。
だからこそ、「採ってはいけない人」を採らないためには、焦りを手放し、忍耐強く、そして見極めの精度を意識して面接に臨むことが大切なのです。
2. 「採用してはいけない」は「完璧な人だけ採れ」ではない
ひとつ、大切な前提をお伝えします。
どこから見ても優秀な人材が、必ずしも自社に来てくれるとは限りません。
特に中小企業では、大手と同じ土俵で戦うのは、なかなか難しいのが現実です。
採用の実態というのは、その人の強みや可能性を信じながら、バランスを見て判断し続けることです。
たとえば、年齢が高いというだけで大手ではNGになりやすい人でも、中小企業では戦力になってくれたり、チームのまとめ役になってくれたりと十分に活躍できることがあります。
他社にとってはネガティブポイントでも、自社にとっては気にならないということもあるのです。
大切なのは、「欠点があったら不合格」ではなく、「自社の採用基準を満たすか」 で判断することです。
だからこそ今回お伝えするチェックポイントは、必ずしも「不合格にするためのリスト」ではありません。
想定されるリスクを事前に洗い出したうえで、それを許容できるかどうかを判断するための材料として使っていただけたらと思っています。
3.面接中の言動で見るポイント
自分の話ばかりで、周囲の人が出てこない
経験や実績に関する話題の中に、一緒に働いた人の存在がまったく出てこない人は注意が必要です。
こういった方は、1人で仕事をこなせたとしても、チームで動くのが苦手な可能性があります。
多くの仕事は誰かとの協業で成り立っている以上、これは見過ごせないポイントになります。
そのため、面接で判断に迷った際は、「チームで成果を出すために、どんな取り組みをされていましたか?」「周りからどんな人だと思われていると思いますか?」といった質問で、協調性の実態を確認するのが有効です。
それっぽいことを言うが、具体が出てこない
「組織全体を巻き込んで推進しました」
「戦略的に動きました」
こうした言葉が並ぶときは、実際に何ができるのかがなかなか見えてきません。
特に、キャリアが長い方や、管理職を経験してきた方ほど、このパターンに陥りやすい傾向があります。
そんなときは、
「ご自身はその中で具体的に何をされていましたか?」
「あなたが何をしたから、その成果につながったんですか?」
と深掘りしてみてください。
答えが出てくるかどうかで、その人の実像が見えてくるはずです。
話が長く、要点が伝わりにくい
1分で話せることを10分かけて話す人は、相手の立場に立って考えるのが苦手な傾向があります。
端的に話せる人は、「この人が聞きたいのはここだな」と考えながら話している方が多く、
相手によって伝える範囲を変えられるのです。
一方、話が長くなりがちな人は、相手が誰であっても同じように話してしまいます。
職場で一緒に働き始めると、これが意外とストレスになることがあります。
最初のうちは緊張しているということもあるかもしれませんが、
面接時間が半分を過ぎても改善されないようであれば、
一度、「もう少し端的にお話しいただけますか?」と伝えてみても良いでしょう。
その際の反応も、ひとつの判断材料になります。
失敗談がなく、成功体験しか語らない
成功体験しか語らない人には、注意が必要です。
世の中の成功者は、必ず失敗しています。失敗して、そこから学ぶから成長できる。
だからこそ、面接では積極的に失敗談を聞いてみてください。
その人がどんな経験をしてきたかが、自然と見えてきます。
成功体験しか語らない人には大きく2つのパターンがあります。
ひとつは、そもそも挑戦の量が少なく、失敗するような経験自体がない(視座が低い)ケース。
もうひとつは、失敗を認められず、うまくいかないことを環境や他人のせいにしてきたケースです。
どちらにせよ、入社後に壁にぶつかったときの踏ん張りに、差が出やすいと感じています。
面接では、「失敗したときにどう乗り越えましたか?」と一言聞いてみるだけで、その人の素の部分が見えてきます。
4.能力把握で見るポイント
経験年数はあるのに、成果が語れない
経験年数が長くても、具体的な成果が出てこない人には注意が必要です。
例えば、「営業を5年やってきました」と言っても、何をどれだけ達成したのかが見えてこないといった場合などです。何年か続けていれば、1回くらいは突出した成果があるはずなのです。
技術職でも同様で、「何をやってきましたか?」と聞いたときに具体的な話が出てこない場合は、
業務の理解が浅い可能性があります。
また、能力の見極めには、面接官側にも相応の知識が必要です。
極端な話、面接に来た人よりも知識や経験が乏しければ、何を聞けばいいかもわからないまま終わってしまいます。だからこそ、「誰が面接を担当するか」という面接官の構成は、思っている以上に重要なポイントになります。
なぜできたか、説明ができない
「普通にやっていたらできました」
「自分はそんなに大変じゃなかったです」
一見謙虚に聞こえますが、これらの言葉は、再現性のなさを示しているかもしれません。
自分がなぜできたかを説明できない人は、新しい環境でも同じことができる保証がないためです。
環境がたまたま合っていただけ、周りのサポートがあっただけ、という可能性もあります。
「できた人とできなかった人の違いは何だと思いますか?」という問いに答えられない場合は、その成果が
本人の力によるものではなく、何らかの偶然が重なった結果かもしれないと考えておく必要があります。
成果の主語が大きすぎる
「売上が3倍になりました」
「業績が大幅に向上しました」
急成長している企業にお勤めの方であれば、こんなエピソードが出てくる可能性もあります。
注意したいのは、その成果が会社や市場の流れによるものなのか、その人自身の力によるものなのかが
見えないことです。
波に乗っている会社にいれば、何もしなくても数字は上がります。
自社に入ってから同じことができるかどうかは、まったく別の話なのです。
「あなたは具体的に何を担当していましたか?」
「その中でご自身が意思決定したことは何ですか?」
という視点で深掘りしないと、実際に何ができる人なのかが見えてきません。
5.転職歴・経歴で見るポイント
転職回数が多い
多くの会社で気にするポイントですが、転職回数が多い=即NG、ではありません。
本当に優秀な人が数年で成果を出し、次のステップへ進んでいくケースもあります。
チェックすべきは「転職理由のパターン」です。ポイントは、そこに一貫したストーリーがあるかどうかです。
例えば、毎回「キャリアアップのため」という理由であっても、その都度何かを習得し、着実に実績を出してきた人は問題ありません。むしろかなり優秀であると考えても良いでしょう。
一方で、毎回違う理由でも同じ理由でも、「なんとなく嫌になった」「うまくいかなかった」の繰り返しであれば、自社でも同じことが起きる可能性を考えておく必要があります。
「なぜ転職しようと思ったんですか?」だけでなく、「その経験から何を得ましたか?」と合わせて聞いてみると、ストーリーがある人かどうかが見えてきます。
長い会社が1社だけで、他は短期
一見「安定感がある」と見えますが、その1社とたまたま相性が良かっただけという可能性もあります。
「なぜその会社だけ長く続いたのか」を確認すると、「尊敬できる社長がいた」「お世話になった上司がいた」という属人的な理由が多く出てくることがあります。
自分でキャリアを切り拓ける人か、環境への適用力がある人かどうかは、しっかり見極めたいポイントです。
転職するたびに給与が下がっている
評価されている人、キャリアアップしている人は、徐々に年収が上がっていくのが自然です。
下がり続けている場合は、「下げないと転職できなかった」ことを意味している可能性があります。
一方で、年収を下げてでも転職し、そこから上げてきた人は、
転職先で評価されたという実績がありますから、非常に優秀な可能性があります。
自分の能力や覚悟に自信があるから、一時的な収入ダウンを選べる。
そういう方は「数年後にどうなりたいか」と中長期でキャリアを考えられている人が多い印象です。
6.選考中の行動で見るポイント
条件に関する確認が異常に多い
入社後も、少しの認識の違いで「聞いていた話と違う」という不満が出やすいタイプです。
もちろん会社側が誠実に対応することは大前提ですが、そもそも転職にリスクが付きまとうのは大前提です。
変化にどれだけ柔軟に対応できるかは、長く一緒に働くうえで大切な要素になります。
「100%保証はできないが、それでも一緒に進んでいけますか?」という問いへの反応を見てみてください。
最初からお金の話しかしない
給与や条件を確認することは、入社を決めるタイミングでは当然のことです。
ただ、応募段階から年収のことしか聞いてこない、面接でもそのことしか聞いてこないという場合は、お金が判断軸の中心にある人かもしれません。
お金で入社した人は、お金で辞めていきます。
より良い条件を提示されれば移る、業績による変動が許せないなど、条件面でのミスマッチが起きやすく、長く一緒に働くのが難しくなることが多いです。
7. まとめ:リスクを把握して「自社にとって採れる人」を見極める
今回お伝えしたチェックポイントを全部クリアできる人を探そうとすると、採用は難しくなるでしょう。
大切なのは、「このリスクがあるから採らない」ではなく、「このリスクを把握した上で、自社として対処できるかどうか」を判断することです。
他社ではNGになるポイントを持っていても、自社では問題にならない。
そういう人を見つけることが、中小企業の採用戦略のひとつだと思っています。
今回のポイントが、採用の場面で少しでも判断の助けになれば嬉しいです。採用のことで悩んだときは、
いつでもお気軽にご相談ください。

